認知症 種類|代表的なアルツハイマー型認知症の他にどのような種類があるの?

超高齢化社会を迎えている現在の日本には、認知症を患っている人が約500万人といわれており、さらに認知症と診断されていないものの軽度の症状を抱えている人を合わせると、その数は900万人にも達すると考えられています。

 

そんな認知症ですが、実は「認知症」というのは、特定の病名ではなく、何らかの原因によって脳の細胞が死滅し、記憶や思考に徐々に支障をきたしている状態の総称。
具体的には、原因や症状の特徴別にいくつかの種類があるのです。

 

医師

 

認知症の種類は4つなの?またその割合は?

「認知症」というと、私たちはついイコールで「アルツハイマー」と考えがちなのですが、実際は、一番患者数の多いタイプではありますが、認知症の中の一つの種類にすぎません。

 

認知症の種類を分類すると、一般的には主なものとして次の4つが挙げられるのです。

 

  1. アルツハイマー型認知症・・・発症割合は全体の約50%
  2. 脳血管型認知症・・・約20%
  3. レビー小体型認知症・・・約20%
  4. その他・・・約10%

 

しかし、実は、認知症の種類は上記の4種類ではありません。

 

代表的な疾患がアルツハイマー型認知症ですが、他にも脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類の症状があるのです。

 

それぞれについて簡単にご紹介していきますね。

 

 

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中で一番多いとされており、男性よりも女性に多いという特徴があります。
また脳血管性の認知症などの患者数が横ばいであるのに対して、どんどん増加の傾向がある認知症なのです。

 

【原因】
アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れて死んでしまい減っていく為に、認知機能に障害が起こると考えれています。

 

また徐々に脳全体も委縮していき身体の機能も失われていきます。

 

 

このアルツハイマー型認知症では、記憶を司っている海馬と呼ばれる部分に病変が起こり、記憶が出来なくなるため、最近の出来事を忘れてしまうという症状が多く見られます。

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しかし、今は治療薬(アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ、メマリー)を早期から投与することで症状の進行を遅らせることができるといわれていますので、とにかく早期発見が重要ですね。

 

 

脳血管型認知症

脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで患者が多いとされている認知症で、どちらかというと男性に多いという傾向があります。

 

【原因】
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血したりし、脳の細胞に酸素や栄養が送られなくなることで細胞が壊れてしまうことで認知症が起こります。

 

血管

 

こうした血管の病気を引き起こす原因は動脈硬化です。
動脈硬化の危険因子として、高血圧、糖尿病、心疾患、脂質異常症、喫煙などがありますので、脳血管性認知症は、生活習慣によって引き起こされる一方、生活習慣を整えることによって予防できるともいえますね。

 

先にご紹介したアルツハイマー型認知症と併発している場合も多いといわれています。

 

 

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、認知症の20%を占める病気で、レビー小体という神経細胞に特殊なたんぱく質が増加することによって発症します。
発症の割合は男性の方が多く、女性の約2倍と報告されています。

 

【原因】
脳の大脳皮質(人がものを考える時の中枢的な役割を持っている場所)や、脳幹(呼吸や血液の循環に携わる人が生きる上で重要な場所)に、レビー小体という特殊なたんぱく質が集まることで神経細胞が壊れて減少し、神経を上手く伝えられなくなり、認知症の症状が起こります。

 

レビー小体

 

症状としては、物忘れというより幻視が多く、「虫や蛇などが部屋にいる」「知らない人がいる」「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などと言ったりすることがあるとか。

 

誤認や妄想によって、まだ働いていると思っていたり、まだ自分は若くて子供も小さいと思っていたり、また自宅にいるのに自分の家ではないと思ったり、家族の顔がわからなかったり、家族が誰か知らない人と入れ替わっていると訴える場合もあるようです。

 

 

このレビー小体型認知症は、頭がはっきりした調子の良い時と、ぼーっとしている時を繰り返しながら進行するという特徴もありますので、日によって状態にムラがあっても怒らないように接してあげましょう(#^.^#)

 

 

前頭側頭型認知症(FTD)

前頭側頭型認知症(FTD)は、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮し、血流が低下することによって、様々な症状が引き起こされる病気であり、他の認知症と違い指定難病に認定されています。
発症傾向としては、40〜60代に多く、男女差はないようです。

 

  • 前頭葉=思考や感情の表現、判断をコントロールする
  • 側頭葉=言葉の理解、聴覚、味覚のほか、記憶や感情を司る

 

このように、前頭葉と側頭葉は脳の4割を占める重要な器官であるため、この部分に機能低下がみられると、人格や理性的な行動、社会性に大きく影響してしまいます(>_<)

 

【原因】
タウたんぱくやTDP-43、FUSなどの様々なたんぱく質が変化し、蓄積することで発症すると言われていますが、現状では、なぜこのような変化が起こるのかはまだわからないままとのことです。

 

やがて筋力の低下や筋委縮が起こってくるため、発症後平均6〜8年で寝たきりの状態になると言われています。

 

 

若年性認知症

認知症はまれに若い世代でも発症することがあり、65歳未満の人が発症する認知症を総じて「若年性認知症」と言います。

 

厚労省の調査によると、男性の方が女性よりも多く、推定発症年齢の平均は約51歳とか。

 

若年性認知症は、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つが圧倒的に多く見られ、特に脳血管性認知症の割合が多いのが若年性認知症の特徴です。

 

男性

 

【原因】
脳に梗塞ができて血流が低下したり、血管が破れて出血するなど、脳の血管障害が原因で起こる脳血管性認知症が最も多いようです。

 

また、若年性アルツハイマーについては、遺伝による「家族性アルツハイマー病」がみられることもあります
家族や親族にアルツハイマー型認知症がある場合は、可能性があるといえますね。

 

 

アルコール性認知症

アルコール性認知症とは、アルコールを多量に飲み続けた事により、脳梗塞などの脳血管障害などを起こし、その結果発症する認知症です。
高齢者に限らず若い世代も発症します。

 

アルコール

 

【原因】
アルコールを多量に飲み続けた事により、脳梗塞などの脳血管障害や、ビタミンB1欠乏による栄養障害などを起こし、その結果起こるとされている認知症です。

 

また多量に飲み過ぎた事だけでも、脳は委縮するのではないかとも考えられています。

 

アルコール性の認知症のみならば、治療である程度の改善が期待されますが、アルツハイマー型やレビー小体型の認知症と合併する場合も多くあるようで、そうなると改善は困難になるようです。

 

 

正常圧水頭症(NPH)

正常圧水頭症(iNPH)とは、脳脊髄液が溜まり障害を起こす、脳圧の上がりにくい水頭症です。

 

【原因】
頭の中では、毎日脳脊髄液というものが作られ、頭の中を巡りやがて吸収されるのですが、この脳脊髄液が異常に頭に溜まってしまう事で、脳を圧迫し、障害を起こしてしまいます

 

正常圧水頭症には、クモ膜下出血、頭部外傷や髄膜炎など、何かしらの病気があってそれに続いて起こる続発性正常水頭症と呼ばれるものと、原因がわかりにくい特発性正常圧水頭症と呼ばれるものがあるのだとか。
正常圧水頭症の50%は水頭症の原因が明らかではないといわれています。

 

症状としては、足が開き、歩幅が狭く、すり足で歩くような歩行障害精神活動の低下排尿障害など。

 

しかし、正常圧水頭症で起こる認知症は、アルツハイマー型などと異なり、治療で改善出来る可能性があり、早期発見が肝心です。

 

女性

 

 

このように、ひと口に認知症といっても、細かくみていくと様々な種類があり、それぞれ原因が異なります。

 

とはいえ、傾向として、血管に障害が発生し、そこから認知症に発展してしまうケースが最も多いので、早いうちから日々の生活の中で血管ケアを心がけておくと、かなりの認知症が予防できますね。